父が弟の入学金のために借りた借金のこと

沢山の1万円札

もう30年以上前になりますが、弟が私立の医科大学に合格し、入学することになって、入学金などまとまったお金が必要になりました。

父も医者だったのですが、勤務医で、そんなにすぐにまとまったお金は出せないので、借金をすることになりました。 母が銀行をいろいろと回って、貸してくれる銀行を見つけ、そこでお金を借りて弟を医学部に入学させました。

父は、借金返済のために、それまで勤めていた病院から、もっと給与を多く出してくれる病院に移り、また、自宅でも夜間診療を始めました。 一応父が医者ということで、返済能力はあると見なされたようで、貸してもらえて良かったのですが、返済するのは大変だったと思います。

弟の毎年の学費も何百万単位だったのですから、弟の学費を稼いで、さらに借金返済もしていくということで、かなり厳しかったようです。 それでも、何とか弟の6年間の大学生活を全うさせ、医師の国家試験にも合格させてから、数年ほどで完済できたとのことでした。

父は昼も夜もなく働いていましたが、それでも、弟が医者になってくれるということで、張り合いもあったのだと思います。 詳しいことは教えてもらえなかったですが、ともかく10年ぐらいで借金の返済は終わったと聞きました。

大学時代、クリスマスプレゼントを買う為にお金を借りた話

この話は遡ること6年前、大学時代のエピソードです。

当時僕には同じ大学に通う1つ年下の彼女がいました。 彼女との仲は良く、それはそれは幸せだったのですが、僕自身が苦学生だったためにプレゼントはおろか、2人でご飯に行っても割り勘が当たり前(お金が無い時は彼女のおごり)という酷い有様なのでした。

そして、気が付けば周りはクリスマスムード一色になっていました。 そんな町の浮かれムードのせいでしょうか、僕は自分が苦学生なのも忘れて「日頃迷惑をかけている彼女にプレゼントを送ろう」と思い付きます。

さっそくネットで彼女が欲しがっていたクロムハーツのネックレスを調べてみると、なんとそのお値段は7万6千円、僕の住んでいたアパートの家賃約2ヶ月分です。 もちろんそんな大金は手元に無く、借金せざるを得ない状況に追い込まれるのでした。

学生の身分で消費者金融からお金を借りるのは抵抗があったため、知り合いに借りることにしたものの、周りを見渡しても僕にはそんな大金を貸してくれる近しい友人は1人も見当たりませんでした(この時ほど自分の人望の無さを嘆いたことはありません)。 さんざん悩んだ挙句、当時お世話になっていたバイト先の社長さんに相談するのでした。

正直、バイトの分際で借金をお願いするような無礼を働くのだから、クビにされても仕方ないと腹をくくっていました。 しかし、社長さんは「これで男になってこい!」と言って10万円も貸してくれたのです。

このお金で入手したペンダントを渡した結果、彼女は泣いて喜んでくれました。 そんな彼女の姿を見ながら、「お金をを持ち逃げされるリスクだってあるのに、僕なんかに大金を貸してくれた社長さんの男気」に感謝するのでした。

しかし、そのわずか1ヶ月後に僕の不誠実な行動が原因で彼女に振られてしまい、10万円の借金だけが僕の元に残るのでした。 その後の借金完済には半年かかりました。